白簱史朗(1993-2019)は、父が酒田市(旧・八幡町)出身であったことから、鳥海山を「父の山」と呼び、幾度となく足しげく通い多くの写真を撮った酒田市にゆかりのある山岳写真家です。
父の紹介により1951年に富士山の写真家・岡田紅陽に師事し、カメラ操作から始まり表現方法や写真の現像などのあらゆる技術を習得します。その後、収入の糧としてバレエの舞台写真や経済雑誌のカメラマンの仕事をしていた白旗は、1962年に「山だけを撮る写真家」として独立宣言をし、以後、ヨーロッパ・アルプス、ヒマラヤなどの世界の名峰や、日本アルプス、富士山などの日本の名峰の撮影に挑んでいきました。
白簱は、四季折々に魅せる表情豊かな山の姿の中でもとりわけ、山にかかる「霧」や「雲」を生かした構図で、自分だけの独自の表現方法を追求し、優麗な山の姿を撮影しました。
本展は、没後初となる回顧展として、初期作品から晩年まで、ヨーロッパ・アルプスやヒマラヤなどの世界の名峰、日本アルプスや富士山そして鳥海山などの日本の名峰を中心に約80点を紹介します。